中央教育審議会からの出された2点の答申と文科大臣が、新たに諮問した内容が記事になっている。


  ①教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(答申)
    http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1325092.htm

    ・教員養成を修士レベルにし、免許を3段階に
    ・教職大学院を全都府県に設置
    ・教員免許制度更新制の存廃は見送り

  ②新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて
   ~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)
   http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1325047.htm

    ・学長中心の改革チームを設けて教育課程を体系化
    ・学生の学習時間を増やす大学を国が財政負担
    ・講義型から学生主体の双方向に授業を転換

  
  ③大学入学者選抜の改善をはじめとする高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携の強化のための
    方策について(諮問)
   http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1325060.htm

    ・志願者の意欲と能力を総合評価する入試への転換
    ・高校教育と大学教育の連携強化

    以上、日経新聞の記事から。

   取り立てて真新しい項目がない中で、「ひっそり」というか「こっそり」かのように見える、「教職大学院を
  全都道府県に設置」については、議論の過程を吟味する必要がありそう。かつての「教育単科大学の増
  設」はどのような評価として位置づけられているのか、法科大学院の「失敗」から十分学んでいるのか、な
  ど今後ゆっくり見つめていきたい。
[PR]
# by uniconlabo | 2012-08-30 00:00 | 記事紹介
  新聞各紙が、文科省の学校基本調査の速報値
  
  http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/08/1324860.

  をもとに今春の大卒者(約56万人)の進路の「厳しさ」を記事にしている。

  日経は第一面で「新卒ニート3万人」と大きく扱い、朝日は社会面で、「進路未定・非正規2割超」とそれぞれウェイト付けは異なる。
  整理すると、「正規社員」が60.0%、朝日の書く、「進路未定・非正規2割超」の内訳は、「就職も進学もしていない人」15.5%(この内、「休職中8.85%、いわゆる「ニート」6.01%=これが3万3000人超となり日経のトップ見出しになっている)、「契約・派遣社員」3.9%、「アルバイト」3.5%となる(進学者は13.8%)。
  基本的に長引く不況の影響があることは言うまでもないが、少し中期的にみると、新就業人口に占める大卒者の割合といった視点からの吟味も必要なのではないか。
 産業構造が「脱工業化」「知識産業化」と言われて久しいが、その変化で、「高卒ではない大卒でなくてはならない業種・職種」がどの程度拡大したのか。大学進学者の増大カーブと同じレベルへ変化していなければ「理論的には」かつての大卒者と同様の就職市場を期待するのは困難、ということになりはしないか。
 もちろん、進学率20%時代とは様変わりした職種・業種・雇用条件のもとに就職している学生が増えていることも確かだ。しかし、根本のところで「大学を卒業した(する)以上は、それに”見合った”仕事を」という思いが払しょくしきれていないのではないか、学生本人もさることながら、かつてよりはるかに進路決定に影響力のある親、とくに母親に。
  この種のデータが発表されるたびに、「一人でもいいから大卒者が来てくれれば」と口にする知人の言葉を思い出し、いつも「違和感」を感じている。
[PR]
# by uniconlabo | 2012-08-29 00:01 | 記事紹介
 読売新聞が夕刊で、「すべての国公私立大学の基本情報や特色をデータベース化し2014年度にもインターネットで公開する」方針を、文科省が固めたと報じている。
 民間の公開サイトが「偏差値」中心なのに対し、11年4月の学校教育法施行規則改正で義務づけられた「授業科目名・内容・計画」「授業料・入学金」「卒業後の進路選択」などの9項目に、留学に関する情報など入学後の情報も加えてデータベース化し、大学間の比較が容易になることを目指すという。
 「情報公開」はあらゆる機会を通じて進められなくてはならないことであり、それが大学間に緊張をもたらす意味でも歓迎したい。が、サイトの運営は「大学評価・学位授与機構」と「大学入試センター」が統合して発足する「大学連携型法人」が担当するとのこと。今回の計画が、くれぐれも新法人のための「仕事づくり」に陥ることのないようにしてほしい。
[PR]
# by uniconlabo | 2012-08-21 00:00 | 記事紹介
 文科省が、司法試験合格率が低迷している法科大学院への補助金の条件をより厳しくする方針を固めた、と日経新聞が報じている。

 もともと、司法制度改革が検討された時点では、平成22年度ごろまでに司法試験合格者を3、000人程度予定し、法科大学院生の6割程度(以上?)が合格する、という想定でした。
 この数式を単純に置き換えてみると、法科大学院の入学定員は4,000名から多くても5,000名となるはずですが、文科省が認可した学生総定員は、それをはるかに超えていました。
 ここにすでにミスマッチがあったところへ、さらに合格者数そのものが当時の1,000名レベルから3,000名に向けてのカーブを描かなかった。加えて、「3,000名の合格者は粗製乱造につながる」あるいは「これ以上弁護士を増やすことは、職場を奪うことにつながる」など、司法制度改革の原点に立ちもどる議論までが再現してきて、環境は変質し続けました。

 これらを背景として法科大学院を取り巻く環境が厳しさの一途をたどり、今回の補助金見直しまでに至った、と言えます。 「法学系学部のある大学にとって法科大学院を設置しないということは、自然死を待つようなものだ」とまで言われたりして、こぞって新設した結果が今回の事態です(もちろん、一元的には、設置後の努力不足、と指摘されることを免れるわけではありませんが)。
 設置申請の当時は、「新しく医学部を持つことに等しい。経営上、この点を常に留意していかなくてはならない」と覚悟していたものです。とくに人件費上、大きな支出を生むことになった、法曹界から競い合って採用した「実務家」教員は、募集停止後、すんなりと元職へもどってもらえることになるのかどうか、ことここまでに至るとそんな心配が先立ちます。
[PR]
# by uniconlabo | 2012-07-19 00:00 | 記事紹介
  朝日新聞が河合塾との調査で、秋入学に全面移行する実現性について「ある」と答えたのが、全体で13.8%(大規模校30.4% 小規模校9.8%)だったと報じている。
  「実現しようと思わない」全体32.9%(大規模=8.7/小規模=38.4)の数字をみると、半年前の「鳴り物入り」とも思えた大学改革の「提案」の熱がすっかり冷めた感がある。
 国際化のために優先すべき事項についての問いで、「留学プログラムの実施、拡充」(55.0%)に比して、「秋入学への全面移行」(1.4%)という回答には、「できることからやる」という現実路線、とみるべきか、あるいは「改革」への抵抗感として、旧態依然たる風土が変わっていない、とみるべきか、見解の分かれるところではあろう。
 大規模校と小規模校の際立った差は、明らかに何かを物語っているし、首都圏の大学、地方私大などと分類していけば、「温度差」はより鮮明になるはずである。浜田純一総長の「東大単独での実施は困難」との考えから、旧帝大や早慶など11大学からなる「教育改革推進懇話会」で全面移行への課題を検討することになり「推進役」が期待されたが、それが1回開かれたのみ、とか、東大内部でも異論があって意見をまとめ切れていない、というのが現実である。
  「5年前後をめどに全面移行」が、どう推移していくか、注目していきたいが、”暗雲”が漂い始めた、と断ずることは早計だろうか。
[PR]
# by uniconlabo | 2012-07-18 00:00 | 記事紹介